内廷費とは?宮内庁が管理する年間3億円の生活費とその内訳

価値観・コラム

天皇ご一家の生活費がどのようにまかなわれているか、詳しく知らない人は多いかもしれない。テレビなどで見かける華やかな場面の裏には、どれだけの予算が使われているのか。今回は「内廷費」と呼ばれる制度と、その背景にある支出のあり方について、最近の着服事件も含めて整理してみたい。

僕たちが普段目にする皇室の活動の裏には、しっかりとした財政的な支えがある。その支出の内容や意義を知ることで、皇室という存在が少し身近に感じられるようになると思う。

内廷費とは何か?

内廷費は、天皇皇后両陛下、愛子さま、上皇ご夫妻といった「天皇ご一家」の日常生活にかかる費用のことを指す。「お手元金」とも呼ばれ、皇室経済法という法律に基づいて、毎年定額が支出されている。

令和7年度(2025年度)における内廷費の予算は3億2,400万円。この中には、私的な職員の人件費、宮中祭祀の費用、被災地へのお見舞金など、多岐にわたる支出が含まれている。

このことからも分かるように、内廷費は単なる生活費ではなく、皇室としての役割を果たすための経費でもある。

内廷費の使い道を詳しく見る

3億円を超える金額と聞くと驚くかもしれないけれど、その中身を見ていくと、公的な要素が色濃く含まれていることがわかる。

たとえば「宮中祭祀」。これは皇室が長年受け継いできた神道に基づく重要な儀式で、季節ごとの行事や国家の節目に合わせて行われる。準備や実施には専門的な人材が必要で、当然それに伴う費用も発生する。

また、天皇陛下が被災地に送るお見舞金も内廷費から支出されることがある。これは個人的な寄付に見えるかもしれないが、象徴天皇としての責任国民とのつながりを意識した行為とも言える。

こうした事例を見ると、内廷費には皇室の公的活動に関連する支出が数多く含まれていることがよくわかる。

内廷費の不正使用という問題

2024年に発覚したのが、宮内庁侍従職に勤務していた20代の職員による内廷費の着服事件。この職員は、当直勤務中に皇居内の事務室から現金を繰り返し盗み、最終的に360万円もの金額を不正に取得していたと報じられた。

その悪質性や金額の大きさから、職員は懲戒免職処分となった。信頼が極めて重要とされる宮内庁という職場で起きたこの事件は、大きな社会的関心を集めた。

制度そのものに問題があるというよりも、現金管理や監視体制に甘さがあったと考えられる。このような事件をきっかけに、内部統制やガバナンスの強化が求められているのは間違いない。

内廷費の金額は妥当なのか?

3億2,400万円という内廷費が妥当なのかどうか。僕自身も最初は「ちょっと高すぎないか」と思っていた。でも、その内訳や役割を知るにつれて、少し見方が変わった。

皇室は、日本の歴史や文化を象徴し、国内外に向けてその存在を示す役割を担っている。たとえば国賓の接遇、海外への訪問、被災地での慰問など、すべてが「国の顔」としての振る舞いであり、そのためには細部まで整えられた準備が求められる。

さらに、皇室の存在そのものが日本人の精神的な支えになっている側面もある。姿を見るだけで安心するという声もあるほど。そう考えれば、ある程度の予算が必要というのも理解できる。

まとめ:皇室の活動には相応の予算が必要だと思う

内廷費に対しては、いろんな意見があると思う。ただ僕は、象徴天皇としての役割を果たしてもらうためには、ある程度の支出は当然だと思っている。

もちろん、不正利用があってはいけないし、透明性のある運用と適切な管理体制は不可欠。その点は今後、より厳格に見直していってほしい。

今回の件を通じて、皇室とお金の関係に関心を持つ人が増えることは悪いことではない。むしろ、制度や支出の内容を知ることで、皇室という存在に対する理解がより深まるきっかけになると思う。

僕たち一人ひとりが、国の象徴を支える制度について考え、関心を持ち続けることが大切なんだと思う。

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