今だから思う、最高の時間だった話
今は妻と二人暮らしをしているけど、26歳から28歳の2年間だけ実家を離れて一人暮らしをしていた。この2年間を振り返ってみると、最も感じることは、「自分のしたい生き方を貫ける、最高の時間だった」ということ。特に、仕事以外の時間を誰にも邪魔されずに過ごすことができ、趣味に没頭したり、好きなことを気ままに楽しんだりできた自由な時間は、今思えばとても貴重で、大切な思い出となっている。
一人暮らし前の僕と、お金の使い方
実家にいたとき、僕はある程度家にお金を入れていたものの、それ以外の使い方に関してはほぼ自由だった。休みの日には外食を楽しんだり、好きな服を買ったり、ブランド物にも手を出していた。要するに、何も考えずにお金を使っていた。しかし、一人暮らしを始めてからは、すべての支出が「自分のお財布」から出ていくことになる。家賃、光熱費、食費、通信費、娯楽費など、すべてが自分の管理の範囲になり、今まで見て見ぬふりをしていた支出が一気に目の前に現れることになった。この時、初めて自分がどれだけ自由にお金を使っていたのかを実感した。
転勤と給料減額、いきなり試されるサバイバル力
一人暮らしを始めたきっかけは、仕事での転勤だった。部署が変わるだけでなく、待遇も大きく変わった。給料も予想外にダウンしてしまい、手当も消えて、最初の数ヶ月は思っていた以上にきつかった。このとき、給料が減った状態で一人暮らしを続けるためには、どんなに頑張っても節約を意識せざるを得なかった。
家賃、光熱費、食費など、毎月支払わなければならない費用を何とかやりくりしなければならなかった。そのため、初めて自分の収支を紙に書き出して現状を把握し、どこに無駄があるのかを徹底的に見つめ直した。
収支を可視化したら、次々と問題点が浮き彫りに
収支を可視化してみると、驚くほど無駄が多いことに気づいた。携帯代が高すぎる、食費がかかりすぎる、いらないものにお金を使いすぎていたといった問題が次々に浮かび上がった。この時、最初に手をつけたのは携帯代だった。大手キャリアを使っていた頃は月々10,000円を超えるのが普通だったが、思い切ってサブブランドに乗り換え、月額3,000円程度に激減させた。これだけで月に7,000円、年間で8,4000円の節約が実現できた。この変化は一人暮らしを乗り切るために、非常に大きな意味を持った。
固定費の見直しから、人生が変わった
携帯代を見直したことをきっかけに、次に手をつけたのは食費だった。一人暮らしをしていた当初は、食費がどんどんかさんでしまうことに気づき、まずは食生活を見直すことにした。朝は食パン1枚、昼は社員食堂のカレー(430円大盛無料)、夜はスーパーの割引弁当や総菜を買うというシンプルなルーティンを作り、無駄にお金を使わないようにした。仕事で疲れていたから自炊する余裕は全くなかったが、割り切って「考えないで回す」ことにした。この方法で、無駄な時間やお金を使わず、効率的に生活を回すことができた。
自分だけの世界をいかにつくるか
一人暮らしの魅力の一つは、何と言っても「自分だけの世界」を作ることだと思う。僕は部屋に特別なこだわりがあったわけではなく、むしろシンプルに「住めればいい」と思っていた。必要のないものは買わないし、置かない。テレビも持っていなかった。実家ではあまりテレビを見ていなかったし、スマホがあれば十分だと思っていた。「必要になったらその時に買えばいい」というスタンスで過ごしていたけれど、結局その日が来ることはなかった。シンプルに必要なものだけで生活を支えていくという考え方が、一人暮らしを乗り切るための力になった。
家賃、通信費、食費、すべてを最適化
一人暮らしをしていた間で最も恵まれていたのは、家賃だった。社宅に住んでいたため、駐車場込みで月1,2000円ほどという非常にリーズナブルな価格。それだけでなく、立地も良好で、駅まで徒歩10分、車を使えば10分で100万人都市の中心部にアクセスできる場所だった。また、Wi-Fiも契約せず、当時のUQモバイルの節約モード(1Mbpsの低速モード)を利用してスマホだけで生活していた。低画質のYouTubeはギリギリ見れる速度だったが、そのおかげでWi-Fi代が浮いたのは非常に大きかった。
食へのこだわりも「置き換えマインド」で乗り切った
食費についても、スーパーの総菜や弁当を上手に活用することで節約を心がけた。外食したくなるときもあったが、ラーメン1杯1000円に対して、スーパーでちょっと高めのカップ麺を買えば200円で済ませられる。こういった「置き換えマインド」で節約を意識することで、毎月の出費をかなり抑えることができた。どうしても欲しいものがあれば、もっと安く似たような満足感を得られる方法を考える。この思考法は、僕にとって一人暮らしの最強の節約術となった。
一人暮らしは、やっぱり楽しかった
一人暮らしの2年間は、正直言って非常にストイックな生活だった。まるで仙人のような生活をしていたが、それが今となっては本当に良い思い出になっている。通帳の残高が増えていくのを見るのが、唯一の楽しみだった。節約し、自分を律して着実に積み上げていく感覚は、何とも言えない充実感があった。もちろん、この生活が全員に向いているわけではない。無理をしすぎてストレスが溜まってしまうこともあるし、続けることができない場合もあるから、無理のない範囲で楽しむことが大事だと思う。
でも、この2年間を通して「自由に生きること」の楽しさや、大切さを実感することができた。これからもこの経験を活かして、より自分らしい生活をしていきたいと思う。
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